鍾会、なれなれしい事するの巻

夏侯玄が逮捕されたとき、鍾毓が廷尉(刑獄を司る長官のようなもの)を務めていました。鍾会はそれまで夏侯玄と面識がなかったので、彼に対してなれなれしい態度を取りました。

夏侯玄は鍾会に言いました。

「今は刑を受ける身となってしまったが、あなたにそのような態度を取られるほど、私は落ちぶれてはいない」

拷問を受けても一言も言葉を発さず、東市で処刑されるときにも、顔色をまったく変えることはありませんでした。

…初対面だとなれなれしい?



「方正6」より。
見ての通りで、夏侯玄を誉める文章です。同じ場面の話が正史(夏侯玄伝)に「雑語」からの引用として出てくるのですが、ちょっとニュアンスが違ってますね。拙文「鍾会って?」の方に正史に載ってたやりとりが書いてあります。なれなれしいのは一緒なんですが。

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