鍾会、嵆康に会いに行くの巻・その1
鍾会は「四本論」という論文を書きました。出来上がったものを嵆康に見てもらいたいと思い、論文の束を持って嵆康を訪ねます。
が、いざ嵆康と対面すると、論文を嵆康に批判されるのが怖くなってしまい、論文を取り出せないままでした。結局、嵆康に見せることもできないまま、鍾会は帰ることにしました。
論文を持ったまま家の外に出て、鍾会は思いました。「論文、せっかく持ってきたのになぁ……でも、面と向かって渡すのは怖いし…」。
そこで鍾会は、嵆康の家の中に論文を投げ込んだのでした。もちろん家の外から! そしてそのまま後ろも振り返らずに、あわてて走り去っていきました……。
…走り去る後姿が笑えるかもしれない。
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「文学5」より。
性格が「?」な士季さんにも、こんな一面があったようで…というお話。学問に関しては謙虚だったようなんですけれどね。
「四本論」っていうのは、「才能と本性の関係についての4つの考え方」の論文だそうです。「才能と本性を同じとするもの」「才能と本性が違うとするもの」「才能と本性が合わさるとするもの」「才能と本性が離れるとするもの」の4つ。…参考書から引き写してますが意味分かってません。そもそも、「才能」と「本性」という単語が、現代日本語と同じ意味で使われていたかどうかも分かりません。
嵆康と鍾会が対面して、何を話したのかっていう疑問もありつつ。この話とは別に、鍾会と嵆康は仲悪かったんですね…というようなエピソードもあったり。それは次のお話で。