乾陵・永泰公主墓→→西門→→古文化街・碑林→→夜
乾陵・永泰公主墓/横たわる皇帝陛下
この日の天気予報は小雨。
西安ではあまり雨が降らないので、雨は喜ばれるそうです。空気のホコリっぽさが緩和されるのが一番の理由のような気がします。Sさんが天気予報の話をしつつ「ホコリが減って、いいです」と歓迎していたので。ホコリ緩和のために散水車が出動している土地柄ですしね…。
西安市内から主に福銀高速公路を使って1時間半、再びやってきた乾陵・永泰公主墓。さすがに、ここまで来ると欧米人観光客はあまり見かけなかったような?
Sさんの説明によれば、武則天が墓の場所を決めるため、2人の人物に「いい場所探してきて(超意訳)」と言って送り出したら、別々に行動していたはずの2人が同じ場所を選んできたので、「これは天命の場所だ」ということで決まったのが、乾陵になっている場所だとか。天然の山を利用した陵で、唐の皇帝の中では、太宗の昭陵に次ぐ大きさだそうです(後の皇帝が遠慮したんじゃないかって気もします)。
乾陵を遠景で望むと、武則天が横たわっているように見えるとのことで、案内通りに見てみれば、なだらかな大きい山の横に小さい山が2つ。上画像、上写真の奥の山が乾陵本体=頭、下写真の奥に見えている2つの山=乳房、と。2つの小さめの山には頂上に烽火台。烽火台が、まあ…アレですね、乳房のてっぺんにあるやつ。つまりヌード状態ってことかー、などと考えておりました。。。
乾陵への長い参道を歩いていたら、参道下の村から賑やかな音楽と歌が聞こえてきました。お祭りのようにも聞こえる明るさでしたが、Sさんは「お葬式やってますね。中国のお葬式は賑やかなんです」と解説。葬儀の光景は建物に隠れて見えませんでしたが、居合わせたのも何かの縁かもしれません。
その村の外れや、遠くの山に見える集落には窰洞(ヤオトン)が。乾燥地帯に見られる横穴半地下住宅です。農村でも、現在はレンガつくりの一戸建てが主流になっているので、貴重なものが見られました。もちろん、住宅ですので外から穴を見るだけですけれども。
乾陵を見た後は、永泰公主墓へ移動。乾陵周辺の道路も、以前はボコボコ舗装だったのが昨年整備され、綺麗な道路になったそうです。前ってそんなに荒れていましたっけ……よく覚えていませんが、永泰公主墓の敷地に面している道路には何となく見覚えがありました。
今回、観光シーズンのためか、激しく人が多かったんですが; 墓の坑道は狭いので、団体さんと鉢合わせて、もう坑内いっぱいいっぱい! 充分に見ずに退散したような気がします…。でも、前回は入らなかった乾陵博物館に入れたのはラッキー! 墓の内部に比べ、博物館は異様に空いていました。団体さんは、博物館まで来ないのかな?
余談メモ。
福銀高速公路は、広東省福州−甘粛省銀川を結ぶ予定の高速道路。まだ部分開通状態らしく、通った部分は2007年に開通したばかり。甘粛省方向の永寿−長武間が2008年9月下旬に開通。
昼食は永泰公主墓敷地内の食堂。Sさんのジャンル分けによれば「陝西田舎料理」。麺うまー! 他の料理もおいしかったのですが、すぐにお腹いっぱいになって存分に食べられなかったのが残念…。朝食軽めにしてたんだけどなぁ。
で、売店に「李世民百之謎」という本がありました。気になるタイトルです。
西門/工事中
西安の西にある乾陵から市内に戻ってきたついでに西門へ。
おおお…、門をくぐった先にある広場に置かれた馬の置物には見覚えが…! ここでX先生たちとお別れしたんだっけ。懐かしいな。滅多に行けない海外旅行で、同じ場所に2回来れるっていうのも嬉しいな。
しかし、西門の上にある建物(写真上)が工事中; いや前に入ったからいいんだけど……昨日行った大雁塔の横にも工事中の建物があり、観光地の工事が多い感じです。前は南門が工事中だったんだよなぁ。どこかしら工事してますね。工事中の建物は眺めるだけにして、城壁の上をちょっと歩いてみました。
城壁は1周約14キロ、Sさんが徒歩で挑んだときは3時間半くらいかかったとか。そんな話をしていたら、1人の欧米人男性がウオーキングしているのを見かけました。西門の横の階段を下りて城壁内へ颯爽と消えていきましたが、どのくらい歩いてきたんだろう。城壁の上を自転車で疾走するカップル(もちろん2人乗りだ)にも遭遇。自転車レンタルもやっているそうです。下写真は城壁の上です。
古文化街・碑林/静かでいいかも?
碑林へ入る前に、門前町のようなポジションの古文化街も歩いてみました。
碑林は前も来てますが、古文化街は初めて!
碑林が書の博物館なだけに、筆や硯、お手本等々、書道グッズを売る店が軒を連ねているのです。大声の呼び込みもなく売り子が寄って来ることもなく(兵馬俑博物館周辺とはえらい違いだ)、静かで落ち着いた、書道好きにはたまらないだろうなぁという雰囲気。しかし書道は分からない…。Sさんの「書道はしますか?」という問いに、「いいえ」としか答えようのない自分;
碑林の中も静かで、落ち着くなぁ。団体さんも来ていましたが静かめで。とりあえず、『前秦の苻堅の治世にケ艾を祀る祠ができました』の石碑は今回もチェック!
最深部の建物では、拓本を取っている係員がいました。こうやって取るのか!と思って眺めていたら、係員の人は「紙を動かすな、触るな(意訳)」という張り紙を残してどこかへ行ってしまったので、思う存分接近して眺めてきました。所蔵品を本来の目的で有効活用している感じが、すっごくイイ!
夜/夕食と、ここまでのまとめ
夕食は唐楽宮というレストラン。
広東料理っぽい陝西料理がメインで、Sさんによれば人気の店なのだとか。あっさりした味付けの物も出てきて、胃休めになりそうなものですが、結局ほぼ完食。コース料理は残すの難しい(笑)。
コースに入っていた料理の羅列。訳がなかったので、名前だけでは中身の想像がつかなかったものも…。
- 帝皇三小セツ(石へんに世/木。右写真)
- 龍王太子羹
- 砂鍋獅子頭
- 紅酒烹煎牛柳
- 吉列石斑抉
- 瑶柱上湯浸津肝
- 福建炒飯
- 香滑核桃露
- 帝皇甜点
勇ましい名前のメニュー多いですね。コースだと1品ずつ出てくるので、撮るのも1つずつになるんですよね。しかも、日ごろ食事を撮る習慣がないので、何品か撮り忘れるし。
それにしても炒飯美味しかった! ネギ少なくてナイス! 下画像は唐楽宮のメニュー。照明とデジカメが写りこまないように撮ろうとしたら、妙な構図になりました;
ちなみに唐楽宮は歌舞ショーも扱ってるそうですが、食事のみでした。まあ2日目にショー見てますしね。
食後に店を出たら盛大に雨で、大きいパラソルを持った店員が店の前で待機していました。客をパラソルに入れて、一緒に車の前まで来てくれるのです。高い店は違うわ。。。
日本は物価が高いので、物価の安い国へ行くと高めの店やホテルに入れたりしますが、日本だったら自分には縁のないランクの店だなぁと。それも海外旅行の楽しみの一つでしょうか。JALPAKは値段が高い分、夕食の行き先も高い店だったりするんですよね。てか、土産店に2箇所ほど連れて行ってくれたのですが、どっちも値段高ぇ! さすが! 50万円の絨毯とか無理無理! そんなに値段の高い絨毯、もったいなくて踏めませんって! 自分の貧乏さを自覚しつつ、土産は地図か本かトランプが欲しかったりします。
スケジュールの都合で、SさんとDさんにお世話になるのはこの日まで。
Sさん、関口○宏氏の鉄道の旅シリーズに感動し、中国編は本気で彼の旅が羨ましかったそうで「中国人でもなかなか出来ない旅ですよ!」とテンション高めに話してくれました。中国でも放送してるんでしょうか……確かにNHKの海外向けチャンネルとかありますけど…。鉄道の旅シリーズの話は何回か出たので、日本人客向けの話題だからというより、Sさん自身が本当に好きなんだなぁと。日本のドラマもチェックしてるとのことでした。すごい。
さらにSさんは公開されたばかりの映画『木乃伊3』についても語り、「日本でも公開してますか?」と聞かれました。ミイラ…そんなタイトルの映画あったっけ?と思い「聞いた事ないですねぇ」などと答えていたら、映画館の前を通りかかり、『木乃伊3』の看板発見。ああ! あの絵は『ハムナプトラ3』じゃないか!
とりあえず「やってました。日本ではタイトル違うみたいでー」と訂正入れました;
そんな感じで、絵日記3日目は→コレ。