4日目・大唐の都・長安

華清池→→兵馬俑坑→→陝西歴史博物館→→夜

前フリ

気温は氷点下9度ですから」とガイドさんに言われ(脅され?)、始まった西安滞在。唐以外にもここを首都にした王朝も多く、そこにいるだけで脳味噌トリップできます(笑)。あちらこちらに古都のプライドを感じる街でした。ガイドさんいわく、人口は出稼ぎ労働者含めて1200万人(東京都並みですかつまり?)。市街地は今でも城壁に囲まれています。面白いです。

さらにガイドさんが言うには「西安は、山に囲まれて、西側は砂漠。昔の防御にはよかったけど今は不便」とのことで(^_^;) 乾燥地帯で、雪は滅多に降らないとのこと。冬の関東南部と似てますが、関東と違って曇りの日が多いそうです。が、私達が西安に来る前日(たぶん12月29日)に雪が降ったそうで、その残り雪で幾分乾燥も和らいでいたのではないかと思われます。乾燥対策は必要なかったような。むしろ大敵だったのはホテルの強烈エアコン…。

乾燥地帯&冬に行ったということで、郊外に行くとめちゃめちゃ荒涼としてました。姜維には湿潤な大地よりも荒涼とした風景が似合いそうだと1人考えながら風景を眺めていた年末(爆)。

華清池/だからラブラブスポ(ry

華清池華清池は早い話が玄宗と楊貴妃のラブラブスポット……いや、温泉地です。
温泉そのものは唐代より前に掘削されて離宮なども建てられたそうですが、一躍有名になったのは唐の頃。特に玄宗。だからラブラブスポ(以下略)

左画像に写ってるのは池でして…いっぱい垂れ下がってるのは、たぶん柳かと。楊貴妃の像もあります(上半身ヌードなんですけど国的にオッケーなんすか?)。思いっきり池に氷が張ってたり…。

もちろん温泉の浴槽は別にあるので、入浴はそちらを利用。唐代の浴槽がまんま残ってます。皇帝用温泉、皇子用温泉、部下用温泉とかいろいろあるなか、皇子用温泉の注意書きで歴代皇子の名前が列挙されてるのを見て、また唐スキーは脳味噌トリップ。

楊貴妃専用室ここで思ったのは「こいつらゼイタクすぎ!」ということで(笑)。いや皇帝なのでゼイタクで当然なのでしょうが。なぜに楊貴妃専用化粧部屋!(右写真) 部屋っていうか建物!パウダールームではなくてパウダーハウス!

さらに、1日4回食事をする皇帝のために1日4回も風呂に入らねばならない料理人たちのための風呂とか。彼らは皇帝の食べるものを調理するという立場上、自分の足に触れることが許されなかったそうで、浴槽には足洗い装置も完備。風呂と調理で人生が終わってしまいそうですよ……。

兵馬俑坑(秦俑博物館)/リアル・テラコッタ

兵馬俑秦の始皇帝陵(秦陵)は車中から見るだけ。これは仕方ないというべきしょうか……いや、だって、何も知らずに見たら普通の山かも(汗)。そこが何なのか知ってから見れば、ものすごく価値のある場所です。というわけで、脳内感慨。でも、入場料の設定があるようなので、ホントは登ったりとかできる…のかな?

入場前、敷地南に連なる山脈を指して、ガイドさんが「これが秦嶺山脈です。この向こうに成都があります」と説明。ガイドさん的には、私達が成都から来たからそう言っただけかと思われますが、蜀末スキーの脳味噌には微妙に違う方向に解釈され…。

微妙に違う方向へ解釈した人(私)は秦嶺山脈を眺めながら「夏侯覇ってチャレンジャーよね」などと考えておりました。

で、「博物館」というと小さい感じがしますが、ここのは兵馬俑坑の上に建物建てましたという所で、一号坑、二号坑、三号坑と銅車馬展覧館に分かれています。敷地も広い広い。博物館入場口から各坑や展覧館まで徒歩20分ほど。
でもそこは観光地、きちんとシャトルカーみたいなものがあります。このシャトル、壁がないので、氷点下で乗るのは覚悟がいります…(^_^;)

組み立て中の俑公開されている3つの坑の中でも一番大きいのが一号坑で、よく「兵馬俑」として報道されているのもここ。今までTV・雑誌などのメディアや展覧会(旅行の前の月に上野で「大兵馬俑展」を見てきた)などで兵馬俑がどういうのかは知ってたわけですが、ここがそうか!という「本場の感触」は一味違いました。

実際に出土したところで・しかもズラーッと並んでて・さらにまだまだ発掘中なのを生で見るのは、やはり「リアル」な感慨があります。上の画像は、一号坑の組み立て途中(壊れた状態で出土するので)の俑の集団の一部です。手前左にあるのは作業台…かな? 台の上の白い物体は魔法瓶です。
帰国後に友人にこの画像を見せたときに、「夜中に中身のお湯が減ってたりしてね!」とか話してました。夜中に動く俑! それはそれでチャイニーズマジック(コラ)。

博物館内には当然売店もあり、兵馬俑ミニチュアをはじめとした兵馬俑グッズが売ってます。さらにパンフレットは中国語版はもちろん、英語版、日本語版なども完備(ほかにもフランス語版とかあった気がしますがうろ覚え)。
パンフレットを買うと、兵馬俑を最初に発見した方がサインしてくださいます。発見は1974年。かなりご高齢のようです…。発見したはいいけど、自分の農地を奪われる結果になり、あまりその見返りもなかったのですとか…。

余談メモ。

秦陵と兵馬俑坑は、陝西省唯一の世界遺産らしいです。古都・西安を擁する省としては少ないかもですね(ちなみに成都のある四川省は、観光に行った楽山大仏と都江堰を含めて6ヶ所)。ガイドさんに言わせると「省の政治がヘタだから」。おおう、そこまで言ってしまっていいんですかい!?

昼食はここの食堂。刀削麺の実演付きでした。


陝西歴史博物館/再び蜀漢トリップ

陝西歴史博物館陝西歴史博物館は、中国の四大博物館の1つだそうです。規模は約7万平方メートル、展示物は約3000点とのこと。画像はその正面入り口外観です。

先史時代から清代までの文物が展示され、中国の歴史を概観することができます。じっくり見れば1日つぶせること間違い無しですが、いかんせんツアー…。ものすごく駆け足でした。

で、展示物の中に、蜀漢のまきびしが! じ・実物ですよ実物! おおお…姜維も使ってそうだ! いや諸葛亮もか!! すぐそういうほうに思考が行くのはファン心理ですので、ツッコミは無しの方向でお願いします(^_^;) 展示品の写真は撮らないのでどういうのかをお見せできないのが残念ですが、日本の忍者が使ってたとされるようなのをご想像いただいて間違いないかと。

漢の高祖・劉邦の墓から出土した俑なども展示されてましたが、大きさは50センチほど。有名な唐三彩も50センチ未満。それが俑の一般サイズだろうと思われるわけで、兵馬俑の大きさといったら…始皇帝…やはり並みの感覚ではないようです。


夜/年暮れる

唐華賓館夕食は、唐華賓館という日系ホテルのレストランで。食事をした部屋のすぐ隣りが宴会場で、どこかの会社が盛大に忘年会をしてました。ゲーム大会もあったりして、何を言ってるのかは分からないのですが、全体のノリがまさに「宴会」。こういう盛り上がりはどこの国も変わらないのだなぁと思った年の暮れ。

画像はその唐華賓館の午後6時半頃の中庭。手前の池は例によって凍ってます…。新年仕様でライトアップされてたので撮ってみました。画像を縮小したら読めなくなってしまいましたが、右下の看板には「新年快楽 A HAPPY NEW YEAR」と書いてあります(看板と建物の間にあるのはクリスマスツリー。クリスマスと年越しはセットで祝うのか、ここも成都もクリスマス過ぎても飾りは外してませんでした)。

ちなみに夕食のテーマが「唐代宮廷料理」だったのですが……これが肉・肉・肉! 肉料理のオンパレード! 牛・豚・鳥、各種取り揃えておりますって感じ。しかも量は日本目安の2倍。それぞれは美味しかったのですが、そりゃ、こんなに肉ばっか食べてりゃ楊貴妃は太るわ
あと、まあ、現実問題を挙げれば、西安周辺は土地がやせているので野菜はあまり取れません。穀物中心。今は輸送すれば何とかなりますが(それでも輸送費がかかるし)、当時は…ねぇ。ライチの例がありますしねぇ…。

夕食後に、オプション(200元)で足底マッサージへ。こういうの初めてなんですが、ま・たまにはいっかということで行ってみました。担当が皆若いお姉さん(もしかして10代かも)で、「うら若いお嬢さんが私なんぞの足をっ!」という気分に(笑)。向こうはプロですからそんなことはまったく気にしていないのですが、ちょっとそんな考えがよぎりました。名前は「足底」なのですが、足裏以外もやってくれましたよ、ええ。

ホテルに戻ったのが夜の10時過ぎ。テレビをつけてみたら、ありましたNHKチャンネル、やってました紅白歌合戦。マツケンサンバやるかなーと見てましたが、しばらくしたところで番組終了→ゆく年くる年開始…。もう終わっちゃうんですか?と思い、その時気が付きました。日本との時差に
ゆく年くる年で「新年あけまして〜」と言ってる頃、西安ではまだ11時。も…盛り上がらねぇ…。ホテルの中庭で年越しイベントやっててなかなか楽しげな雰囲気だったのですが、寝ました。年を越す前に。

余談メモ。

日本と中国との時差は1時間。中国にはタイムゾーンがなく、全国一律で同じ時間です(地理的には、九州とインドが同じ時間みたいなもので、なんだか無理してます…)。成都や西安といった比較的西の地域では、朝は7時過ぎても真っ暗な反面、夜遅くまで活動してるようです。店も遅くまで営業してます。


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