3日目・大熊猫登場

都江堰→→成都パンダ基地→→成都市内→→西安咸陽国際空港

都江堰(世界遺産)/起源は紀元前

都江堰成都の北にある水利施設。
岷江の氾濫防止と、成都へ水を引くために作られ、今の四川が「天府の国」と言われるのは、この施設あってこそだそうで。

施設工事が始まったのは、紀元前3世紀(!)、蜀の郡守・李冰とその養子・李二郎からだそうで、実際に完成したのはもっと後らしいです。三国時代にもあったってことですね、ここは。うわ、蜀漢の誰かが来ててほしいー(笑)。

写真は、右から流れてきた水が分岐する中洲(魚嘴)です。
写真だと分かりにくいですが、左上は橋になってて、その下を水が通っていきます。上が外江(岷江の本流)、下が内江(こちらの水が灌漑用水として引かれていく)で、川の水量が多くても内江に水を引きすぎたりしないように調節する構造になってるそうで。日本でいえば縄文時代にあたる頃にこういうのが出来てるあたりがスゴイ。

パンダ公衆電話パンダ公衆電話で、ここの公衆電話のケースがパンダだったので、思わず激写したものを掲載(笑)。2台が対向になってるのですな。

ちなみに都江堰のそばには、道教発祥の地・青城山があり、五斗米道はここで始まったんだとか。今も道教の聖地とされ、道士の人々が修業してるそうです。
なので、都江堰にある李冰と李二郎を祀る祠も道教仕様。祭事も道教方式らしく、ほとんど道観です。

成都パンダ繁育研究基地/パンダアドベンチャー

パンダ写真「パンダアドベンチャー」っていうのは、ここのキャッチコピーの1つです。

「四川省といえば?」のイメージの双璧をなすパンダを繁殖させてるところです(いやそれ以外にも研究や保護もしてます)。レッサーパンダもいたり。パンダは、ホントに四川省近辺にしかいないらしいです。結構間近で見られて撮影もフリーなので、いくつか撮りました。動物園と違って野外に庭もあるので、外で見られます。ケージの中で寝てるパンダしか知らない身には新鮮です。パンダ好きの方大喜びのスポットといえます。子パンダが群れて笹をむさぼり食う光景(右下写真・4頭いる)は、相当貴重です。

パンダをあらかた見終え&撮り終えて次の場所に移ろうとした頃、Sさんがガイドさんに言いました。「パンダ抱っこできるんですよね?」。…そうだったっけ? ツアー内容に入ってた記憶がないので、「パンダ抱っこ」はすっかり意識の外でした私。後でSさんに「なぜパンダ抱っこできるの知ってたんですか」とお尋ねしたら、「他(のパンダ繁殖所)でやってるみたいだから、ここももしかしてと思って」とのことでした。

というわけで、Sさんもちょっとダメもとで尋ねたようでしたが(オフシーズンなせいいか、抱っこできるよ看板も出てなかったので)。ガイドさんは私たちに「交渉してきます」と言い残し、関係者以外立ち入り禁止になっている飼育舎に入っていきました。

パンダ写真2しばらくして、ガイドさんは吉報を持って帰還。
飼育舎に私たちも入っていき、撮影の支度。まるでクリーンルームに入るかのように、割烹着みたいな前掛けを着せられ、手袋を渡され、靴カバーを履かせられるSさん。重装備なのだな、一般人がパンダに接触するのは大事(おおごと)なのだな…。抱っこしないガイドさんと私も、靴カバーをするように言い渡されましたもの。

いよいよ子パンダが連れてこられ、ガイドさんと私がSさんのカメラを1台づつ持って(彼女は2台持参していた)撮影大会! …そう、撮りまくり。オフシーズンかつ少人数ツアーだと結構融通が利くのですな。ちなみにパンダ抱っこは400元。この後にSさんはレッサーパンダも抱っこしますが、それは150元でした。

パンダ抱っこ後のSさんの談。「たれぱんだはあながち嘘ではない」。すごいぐんにゃりしてて、軟体動物みたいなんだそうです。でも、骨はもちろんあるわけで、その「ぐんにゃり」ってもしかして脂肪?

この後にレッサーパンダを見学し、パンダ資料館を観覧するのですが……売店に堂々とたれぱんだのパチモンが売られてました…。こ、ここって国の施設なのでは!?(汗) 作者が見たら泣きそうな程の微妙さを醸し出したたれぱんだグッズがいっぱい……。

成都市内/スーパーマーケットは「超市」と書きます

夕食まで時間が空いたので、市内中心部へ戻り、繁華街を歩いてみました。ガイドさんが「行ってみましょうか」と言って私たちを連れていったのは「伊藤洋華堂」。そう、イトーヨーカドーです。世界進出してたとは知らなんだ。

デ○モン小暮閣下も推奨されていたことがあるのですが、旅行先でスーパーマーケットに入るのは面白いものですね。ツアーで通り過ぎていくだけでない、生の光景が見られて。日本企業の店なせいか、日本から輸入した食品も多めに見受けられましたが、大半のものは現地の生活に密着したものですし。お土産の食品はこういうところで買った方がハズレにくい気もします。お茶の質とか。

この後、本屋へ。店には中華書局の二十四史がフルで売られてて、隋書全6巻75元には本気で惹かれました。日本円で約1000円……。

余談メモ。

成都の歩行者・自転車用信号機はアニメーションするぞ!(←自転車用信号があるところは、さすが中国) 西安の信号機とデザインが違ったので、国家統一規格みたいなものはない様子。もちろん、誰が見ても(外国人の私たちでも)分かるようにはなってますが。


成都→西安/翼よ、あれがパリの灯だ(?)

中国南方航空(機体は中国新疆航空)/機種不明/約1時間半。

夕食後、成都双流国際空港から西安咸陽国際空港へのフライト。空港でガイドさんにチェックインをしてもらった後、搭乗手続きからはまた2人です。ガイドのSさん、運転手のCさん、大変お世話になりました<(__)>

国内線の搭乗手続きは言葉がまったく分からないので不安もありますが、広州で1回経験したので「何となく」なフィーリングで通り抜けました(^_^;)
が、搭乗口がまたいつのまに変更されてら! 西安の表示があるはずの搭乗口モニターには「武漢」の文字が。武漢行きの便の出発が遅れ、押し出された模様でした。事情は分かった、だが「また変更されてるよ、これが中国なのかー!?(←初心者の偏見)」とつい思ってしまった某旅行者(私)。
またも搭乗口探しに空港内をウロウロ…。

無事に搭乗口を発見し、離陸。夜10時5分というものすごい時間帯に出発したので(そういや定刻離陸だ!)、機内では寝る人多し。が、私は機内で寝られない人なのでありました……元々飛行機に乗るのが苦手なので(機体を見るのは好き)、落ち着かないんだと…。

寝られない私が窓から見たのは、丸い月でした。夜空にひとり浮かぶ月、月明かりに照らされる雲海……非常に幻想的で、まるで違う世界のようでした。夜のフライトも捨てたものではないですね。西安の夜景も非常にキレイで。街灯がオレンジ色の電球で統一されていたので、碁盤の目の街並みがきっちりと見え、それを様々な色の建物の明かりや車のライトが彩る美しさ。道路という枝に花が咲いてるようなもんです。

が、どんどん西安の街を通り過ぎる飛行機。「お? どこ行っちゃうの!?」と思っていると、闇の中に浮かぶ空港に着陸しました…。深夜11時半頃のことです。荷物を受け取ってロビーに出ると、西安でのガイドさんが待っていました。車のところには運転手さんも。深夜労働お疲れさまです…(^_^;)

車に乗り挨拶を済ませた後にガイドさんが言いました。「西安まで1時間かかります」。高速道路を使って1時間、距離にして約50キロ。空港名「西安咸陽国際空港」の都市名の後ろに付いてる「咸陽」は、実際に空港がある市の名前。西安市に空港はなかった!

そりゃ、飛行機が思いっきり西安の上空を通過していくわけですわ……。

日付変わって深夜0時半、ホテル到着。本当に1時間かかったな……(遠い目)。西安でのホテルはハイアット・リージェンシー西安(西安凱悦阿房宮飯店)。兵馬俑のミニチュアが貰えました♪

余談メモ。
成都双流国際空港のターミナルは04年10月にできたばかりだそうです。広州と同じく移転新築? 似た時期に国際線級のでかい空港が複数リニューアルしてるので、国家レベルで何か推進してるのだろうか?と想像。西安咸陽国際空港も結構キレイだったので、ここも比較的新しいっぽい。

西安のガイドさんたちが乗ってきた車もやっぱり4〜5人乗りの自家用車。成都のSさんとCさんの車と違うのは、とってもこまめに洗車している様子だったこと、新しそうだったこと。車内にマット(パンダ模様!)が敷いてあったりして。車のサイズは、日本でいえば3ナンバークラス(たぶん)。
成都でも西安でも、ものすごく汚れた車と・ものすごくこまめに洗ってる車が普通に混在してるので、都市の性質ではなく、使用者の性格からくる違いなのかな。どっちがいいとも言えませんけれどもね。個人所有ではなく、旅行会社の車だと思いますしね。
といいますか、一番驚いたのは車の乗降時に、ガイドさんと運転手さんがドアを開け閉めしてくれること。そんな身分でない自分は相当ビビッた。

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