6日目・買い物街道・長い道

自由行動→→ホテル→→西安咸陽国際空港→→新東京国際空港

自由行動/入店拒否される

鐘楼最終日。帰国の日です。

午後0時半にホテルのロビーにガイドさんが迎えに来るまでは自由行動です。行ってみたいところはたくさんあったのですが、それほど時間もないので本屋に行ってみようということになりました。まあ、好みのものを扱ってる本があればいいなと。

中国の本屋は盗難防止のために手荷物の持込は不可(本が入らなそうな小さいバッグは可)、特に他書店の袋なんぞもってのほか!なので、入り口に手荷物預かり所があります。成都でも西安でもそうなので、全土的な方針なのかも。
本屋をはしごして荷物が増えたため、後に入った書店の警備員に入店を止められたのはこの私(汗)。預かり所を自力で発見するまでの時間は10分もなかったと思いますが、それまでが異様に長く感じられました(^_^;)
ちなみに私が入店拒否されてる間にSさんは颯爽と店内へ……さすがだ。

で、店員は無愛想なので、お釣りやらレシートやら投げて寄越す寄越す(ちなみに広州の入国審査官もパスポート類を投げて返した)。愛想や笑顔が求められてなくて、きっちりやることやってればいいから…なのですが、お釣りを投げられるのも、中国のお金は紙幣中心だからだろうかなと。かなり細かい単位にならないと硬貨が登場しないので(元の下の「角」。10角で1元。日本円だと約1.3円。が、角も紙幣と硬貨の併用なので、硬貨の出番は少なめ)。硬貨を投げると、どこ行っちゃうか分かりませんから(笑)。

買った本で、買った本はといえば、私は水滸伝画集やら歴史女性画集やら薛仁貴の薛家シリーズ3本立て(「薛仁貴征東」「薛丁山征西」「薛剛反唐」・右画像)やら、三国志とまったく関係ないものばかり。Sさんは無論三国志系の本でしたが、その中に「両晋演義」ってのが。そういう演義もあるんだ、知りませんでした。
晋メインで書いてあったら、五胡十六国はどういう描写されてるんだろうかと一抹の……。

上の画像は入店を止められた本屋のそばにあった鐘楼。鐘楼前の郵便局(局名は「西安鐘楼前」)に入り、ものすごく大急ぎで姉にエアメールを書きました。姉から「エアメールちょうだい」と言われていたのに、今の今まで時間がなかった! ホテル備え付けの絵葉書で出した私を許してちょうだい…。
しかも書くことがなく(帰国後すぐ会うので、話したほうが早い)、西安の街中にいたパチモンのドラえもんを「こんなのいた」と絵に描いて送りました許してちょうだい…。
ちなみに料金は4.5元(4元と5角)でした。

出した葉書が姉に届いたのは約5日後。「郵便局から出した」と姉に言ったら驚かれました。姉いわく「ホテルのフロントに頼めば出してくれるのに」。…おお? そうなんですか?? 知らなかった…。でも、フロントに「切手貼って出してくれ」と説明するのよりも、郵便局の窓口に「エアメール!」って言って差し出したほうが簡単そうじゃないですかー。

余談メモ。

その「パチモンなドラえもん」がどうパチモンなのかといいますと、胴体が1メートルくらいの円筒形! ありえねー!


ホテル/困惑

茶杯本屋は意外に時間を喰うもので、気が付けばもうお昼近く。正午チェックアウトなので急いでホテルに戻り、これまた急いで買った本をスーツケースに詰め込み、チェックアウト。0時半にガイドさんたちが来るまで時間が空いたので、昨日茶杯を買った売店へ行くことに。

売店にまた行ったのは、茶杯セットを買い足すためでした。昨日と同じようにジェスチャーと片言英語で「このセットを1つください」とアピール。ここまでは順調。会話が通じないので、係員の方は電卓に値段を打ち込んで価格を示すのですが……「140元」。

昨日買ったときは、1セット100元だったぞ?

「昨日同じ物を買ったが、それは100元だった」。それをどうやって相手に伝えれば!? 「い・いえすたでー……」。棒読みの極致で不審すぎる片言英語を発する。そこまではいい、100はワンハンドレッド……「元」は英語でなんて言うんだ??

英語、断念。筆談に走る。
漢字文化はありがたいね! さらに現物を手に取り、紙に「昨日」「100元」と、これまた不審すぎる文字を書き連ねて再アピール。
これでこちらの言わんとしていることが通じたんだから、係員の方に感謝せねばなるまい!

オチとしては、茶杯+聞香杯のセットは確かに100元。で、これに茶托を追加した3点セットもあって、それが140元。昨日の係員の方と、今日の係員の方で、「1セット」の基本概念が違ってた模様。で、私は茶托もセットにできることに気づいていなかった、と(言い訳をさせてもらえれば、茶托も一緒にできるという表示がなかった)。

無事に話がまとまり、100元で茶杯と聞香杯を購入(昨日茶托を買っていないので、今日も茶托は付けず)。なんとかなって、よかったよかった。で、なぜかこの時私は1人でした。Sさぁーーん!

西安→成田/いつもの場所へ

日本航空/B767/約3時間50分。

ホテルから空港まで再び車で1時間、西安咸陽国際空港へ到着、ガイドのLさん・運転手のWさんとお別れです。ガイドさんはベテランで、ずいぶんこなれた方だったなぁと…。西安生まれの西安育ちだそうで、なみなみならぬ郷土愛の感じられる人でありました。

空港に着いたのが1時半頃、出発が3時半ということで、腹ごしらえに食堂へ。…メニュー読めねぇー! 会話は例によって通じねぇー! なので、メニューに書かれてる文字の雰囲気だけで決め、指差しで注文。何が出てくるか分からないという笑える不安のもと、食事を待つのでありました。

結果は焼きうどん。思ったより普通の結果ですが……うどん?

この空港、空港アナウンスに日本語も流れるようです。行き先と航空会社が日本だということで、手続きに並んでたあたりから日本語が周囲で聞こえてたのですが、機内に入るとそこはほとんど日本と変わりなし(^_^;) まだ中国にいるというのにー。アナウンス・機内表示は日本語優先、機内誌ももちろん日本語。久しぶりにリアル日本語の渦に埋もれました。
「懐かしい」とはこういうことか(笑)。上野駅の石川啄木みたいなもんですか、ヤマトの沖田艦長とか(違)。

離陸後は、北京・ソウル上空を通って成田へ。北京へ向かう途中で太原上空を通過。太原は唐の高祖・李淵が隋臣として働き、なおかつ李氏の旗揚げ地ということで、また1人で感慨に浸ってました。地形も特徴的で面白いところです。

また、フライト時間が夕方から夜にかけてということで、日本の夜景なども見られました。大阪・名古屋の夜景は分かりました、なんとなく。さらにひときわ大きな東京の夜景を通り過ぎて真っ暗な成田方面へ。周りが暗いと空港の位置が分かりやすいね!

帰国便は、定刻より30分早く到着。国際線は遅れるって聞いてたけど(実際、行きは遅れましたし)、ありがたや。遅い時間のせいか審査も空いててさらにありがたい限り。預けた荷物を受け取ってロビーに出たところで、空港近くで後泊するSさんとお別れです。京成の切符を買って特急に乗り、日暮里で山手線に乗り換え。

いつもの見慣れた雑踏が戻ってきました。

余談メモ。

午後3時半に西安を出て、成田着は8時20分。1時間の時差が出るので、自分にとってこの日は23時間しかない計算(代わりに初日が25時間)。


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